本の虫になれなかった大人たちへ

-本嫌いの為の書評とライフハック-

【本は最後まで読むのはNG】小説が1ミリも読めない本嫌い流、本の読み方

 

「本嫌いが本の読み方を語るなんておかしいだろ!」と思うかもしれない。

確かにそう思う。

でも、本嫌いの中には「実は学生時代、現代文の評論だけは点数が取れた」

とか訳の分からない奴がいるはず。

(これが自分のことなんだが…)

 

こういうのは、ただ単に「読解力があるクセに本を毛嫌いしている」のではないか?と思う。

これは持ち前の読解力を腐らせているし、知識の乏しさを助長させているからもったいない。

 

この記事を読めば「本嫌いでも、少しでも本と仲良くできる知恵」を手に入れられる。

もし文章を極力読みたくないなら、気になる目次の所の太字だけ読めばいいと思う。

 

 

興味のある本しか読まない

当たり前だが、興味のある本しか読まなくていい。

大人なんだから、誰も読んでいる本に対して咎める資格はない。

大人が図鑑を読んでもいい。

ちなみに最近の図鑑は結構大人向けに作られているので、図鑑だからといって

避ける必要はなかったりする。

 

 

デカデカと美しい物質の写真が載っているので、

眺めているだけで思わずうっとりしてしまう…まさに理系ホイホイの本。

 

仮にこのブログを読んでいるあなたが学生だとしたら、もしかすると

指定された書物を強制的に読まされてげんなりしていると思う。

(かくいう自分も中学の時に大嫌いになってしんどかった…)

国語の教科書に記載された文章の中で、興味のあるものはあっただろうか?

もしあったのであれば、その文章の続きが書いてある書物を1冊読んでみるのも手だ。

 

正直言って、課題図書を強制的に読ませる教育については

本嫌いをかえって増やしてしまう要因になるので、やめたほうがいいと思う。

確かに「普段読まないような新しいジャンルに挑戦するキッカケ」とか

「その年齢にふさわしい難易度の本」という意味では良いかもしれないが、

課題図書のジャンルは青春モノに偏っている傾向はあるし、

「年齢イコールその人の読解力の難易度」に合うとは限らない。

 

『現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全 ―脳が超スピード化し、しかもクリエイティブに動き出す!』では

以下のように説いてる。

「いま読んで楽しい本」を読む。楽しいから「知肉」になる。*1

 

この文でいう「知肉」とは、ざっくりいえば「得た知識を自分のモノにする」である。

知識や情報を吸収するだけではなく、自分で自在に知識を扱えるようにするには、

その知識を得るのが楽しくないとダメだという。

読みたくない本は頭に入らないので、読まなくていいということだ。

 

ちなみに「知肉」の作り方等の詳しい説明は、本書で詳細に語られているので

気になる方は手に取ってみると良い。

 

だから堂々と興味のある本を読んでいいのだ。

 

最後まで読まなくていい

本は最後まで読まなくていい。

自分が気になる部分だけ読んで終わりでいい。

 

特に『独学大全』という分厚い本が物語っている。

 

【挫折度:90%】仕事でも役に立つ挫折前提の本?!本嫌いの為のクソ分厚い本をレビューしてみた。『独学大全』読書猿 - 本の虫になれなかった大人たちへ

 

『独学大全』の「掬読」という技法の中ではこう語られている。

しかし掬読Skimmingの意義は「どのようにして必要な部分を見分けるか」というテクニックそのものよりむしろ、そのスタンス、つまり「テキストの必要なところだけを(まずは)読めばいい」という割り切り方にある。この考え方こそ、「書物は1ページ目から順番に、それも一字一句飛ばさずに、読まなくてはならない」という、本読みの実態からはほど遠い<思い込み>を打ち砕き、我々を解放してくれた教えであった。*2

 

まさに、本嫌いのほとんどが「書物は1ページ目から順番に読まなくてはいけない」という強迫観念に縛られている。

『独学大全』でも紹介されている通り、別に最後まで読まなくていいのだ。

上の項目と重複するが、興味がないと頭に入らないものである。

知識を付ける目的の読書では、尚更飛ばしてしまって構わないと思う。

 

電子書籍で読む

別に紙で読まなくてもいい。

メリットは以下の通りである。

  • 文字の大きさを変えられる
  • ページ数を非表示にできるので圧倒されない
  • 持ち歩きが楽なのでどこでも読める
  • 保管場所に困らない

特に文字の大きさの変更とページ数非表示は読書嫌いを緩和できるので、

実践してみることをおすすめする。

 

電子書籍といえば、amazonだと思うが、結構オススメだったりする。

kindle unlimitedにすると、対象の本が読み放題になる。

このサービスに入ると、より「気になった所だけを読む」という手法が気軽にできるようになる。

Amazon.co.jp

 

実際自分もkindle unlimitにして、色んな本を読んでいる。

たった1ヶ月で5冊も読める位には結構ハマってしまった。

 

また地域限定ではあるが、電子書籍を扱った図書館も存在する。

トップ| 千代田Web図書館

 

実際利用した感じは、蔵書数が少ないと感じる部分もあるが

興味がありそうな本があればラッキーという感じ。

紙の本と同じく、貸出期限や貸し出し可能な数が制限されているが、

自宅に居ながら本を借りることができ、しかも読めてしまうのが良い。

全図書館にやってほしいサービスではある…

ちなみに、専用のスマホアプリが無くても閲覧可能である。

 

次に読む本は関連した本が良い

できれば次に読む本は、前に読んだ本と関連する本が望ましい。

次の本の選び方はこのようにすると良い。

  • 直前に読んだ本のさらに詳しい内容の本
  • 直前に読んだ本で引用されていた本
  • 直前に読んだ本で比較されていたものに関連する本
  • 直前に読んだ本と同様の内容の本
  • 再度直前に読んだ本を読み返す

1冊の本だけだと情報に偏りがある可能性があるので、別の著者が書いた本に当たるのもアリである。

しかも直前に読んだ本の内容がまだ頭に入っている状態なので、初めて読む時よりも理解がスムーズだ。

こうしてどんどん関連する本を手を伸ばすと、より知識を深めることができる。

もちろん、興味がある本という前提である。

 

また直前に読んだ本を再度読み返すのをなぜオススメするのか?

それは「意外に頭からヌケている」からである。

1度読んだだけでは精々本筋は分かるが、詳細が言葉で説明できる状態だと思う。

繰り返し読んだり、自分が読んで考えた事をメモにすることで、やっと本の内容をある程度説明できるようになる。

特に書評ブログを書く上ではこの部分を痛感している。

結構抜けているな…と。

 

まとめ

  • 本嫌いの中には持ち前の読解力を腐らせているのではないか?
  • 頭に入らないので興味のある本しか読まなくていい
  • 最後まで読むという固定観念から切り離す
  • 本嫌いこそ電子書籍で読む
  • 直前に読んだ本と関連した本を次は読む

 

少しでも本に対して楽になれば良いと思う。

本の読み方を変えれば、読める方は増えるだろう。

「面白い!」や「次が読みたい!」と思ったらスターや読者登録お願いします。

 

 

 

 

 

 

*1:佐々木 俊尚『現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全 ―脳が超スピード化し、しかもクリエイティブに動き出す!』(東洋経済新報社、2022年)237ページ

*2:読書猿『独学大全』(ダイヤモンド社、2020年)472-473ページ